ある朝、ショセット建築設計室に３匹の靴下猫の兄弟がやってきました。
たらふくご飯を食べた後、めいめいに「家を建てたい」と話します。
しかし、3匹は家づくりについて詳しく知りません。
そこで、建築家のイトウサンと一緒に家づくりについて学ぶことになりました。
ひだまりで新聞を読むのが日課。
ふさふさな大きなお腹が気になりだしたらしい。おいしいご飯の時間が好き。
旅好きで自由奔放。
好きな建築家はアルヴァ・アアルト。
なんでも自分の名前の由来だとか。
おしゃれに気を抜かない末っ子。
ひそかに兄たちを尊敬している。
最近はサッカーにはまっているらしい。
ショセット建築設計室の建築家。
家づくりなら任せとけ！ということで３匹の願いを叶えることに。
イトウサンはこんな質問を3匹にしました。
「みんなは家をつくって、どんな生活がしたいのかい？」
まずは、長男のチャイがぼそぼそとしゃべりだしました。
「僕は、太陽が大好きなんだ。
陽当たりのよい窓辺で寝転んで新聞を読んだり、
お茶を飲んだりしたいんだ。」
続いて次男のアル
「ボクは旅が好きだから、家はそんなに広くなくてもいいよ。
ただ、旅の思い出の品を並べて、その前で寝たいな。」
最後に三男のピッピ
「ぼくはね、家でサッカーとバスケットボールが思いっきりしたいの。
ねる時はさみしいから、みんなでねたいんだよね。」
イトウサンは3匹の家への想いをゆっくり聞いて、
メモをとっていきます。
「ふむふむ、家でしたいことがたくさんあるようだね。
なかなか面白い家づくりになりそうだぞ。」
いよいよ3匹の家づくりが始まります。
3匹が用意した場所は、大きな公園のそばの小さな区画でした。
イトウサンは土地の地図を見ながら言いました。
「家を建てる土地を選ぶときは
その土地がどんな用途地域になっているかも大事なポイントだね。」
長男のチャイは急いで弟たちを呼び寄せます。
「用途地域・・・？ 僕たちの土地はどうなっているの？」
「こんなサイト※（←リンクします）で簡単に調べることができるよ。
この土地は第一種低層住居専用地域・第一種高度地区と書いてあるね。」
次男のアルが聞きました。
「第一種低層住居専用なんちゃら、、、、それなあに？」
「用途地域の中でも規則の厳しい地域なんだけど、
周りの建物の高さも低いから、住むのに良い環境じゃないかな。」
「規則？？？規則ってなんですか！！！」
三男のピッピが元気よく質問です。
「その土地に建てることのできる建物の高さや広さの上限が決まっているんだよ。
第一種低層住居専用地域のこの土地の場合、
建ぺい率（建物が建っている面積）が土地の50％まで
容積率（各階床面積の合計）が土地の100％までとなっているよ。
この割合は同じ用途地域でも場所によって違うから、注意！
さっきのサイトにも書いてあるから参考にするといいよ。
それと、第一種高度地区というのも大事なんだ。
下の図は土地を横から見たところ。
北側の境界線から決められた範囲にしか家が建てられないよ。
これは、北側の土地にも南からの太陽の光を入れるためなんだ。」
「・・・・・・・・。」
3匹はぽかーんとしてしまいました。
イトウサンは苦笑いしながら言いました。
「どうやら説明が難しかったみたいだね。
もちろん、自分で考えるのは難しいよ。
だから、いい土地を見つけた！と思ったら、まず建築家に相談してみよう。
その土地で建てることのできる家の大きさを出してもらえるよ。」
※紹介した用途地域のサイトは個人の方が作成されたページです。
一部の市町村ではWEBで公開しているところもあります。
